今回は年末年始にHuluで観た映画の中から、僕が一番印象に残った邦画を1本ご紹介しようと思います。
と言っても、そんなに本数を観たわけでもなく、たまたまあらすじを読んで観てみたら、そこそこのアタリだっただけのことなんですが、扱っていたテーマが僕の心を熱くしたんですよね。
風が強く吹いている
お正月の三が日って、毎年朝から昼過ぎまで駅伝漬けになる人って多いですよね。
元旦(1日)は朝から「ニューイヤー駅伝」を観て、2日・3日は「箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)」を観るというね。
僕もその1人です。今年は特に。昨年患った病の影響で、未だに激しい運動を禁止されている身として、今年は例年以上に観入りました。
そして、今回紹介する映画『風が強く吹いている』も「箱根駅伝」を扱った邦画なんです。
原作は2006年刊行の三浦しをん著の同名小説。映画は2009年公開の作品になります。主要キャストは小出恵介、林遣都、津川雅彦他。
あらすじ
致命的な故障でエリート・ランナーへの道を諦めたハイジ(清瀬灰ニ/小出恵介)と、ある事件から走る場を追われたカケル(蔵原走/林遣都)だ。
ハイジはカケルこそが秘かに温めていた計画の切り札だと確信、壮大な夢への第一歩を踏み出す。それは、同じ寮で共同生活を送る8人のメンバーと学生長距離界最大の華といわれる<箱根駅伝>出場を目指すこと。
ところが彼らは陸上から縁遠い上、漫画オタクや25歳のヘビースモーカー、アフリカから来た留学生…。しかし、ハイジの緻密なトレーニング法と走ることへの信念、仲間への揺るぎない信頼が、皆を変えていく。
やがて明かされる、ハイジの故障の理由とカケルが起した事件の真相、そして8人それぞれが抱えてきた本当の想い。果たして、心を一つにした10人は、箱根の頂点に立つことができるのか…。
Trailer
カケル(林遣都)がスゴい!
主人公の1人である蔵原走(カケル)を演じた林遣都という俳優ですが、彼の映画の中で見せるランニングフォームが素晴らしいんですよ。これを観るだけのためにこの映画を観る価値があると言っても過言ではありません。
もうね、羨ましい。
陸上経験者とおもいきや、学生時代は野球少年だったらしいですが、この映画の製作途中で某大学陸上部から本気のスカウトがあったそうです。
とにかく美しいランニングフォームです。
僕なりの感想
大雑把に言ってしまえば、よくある「スポーツ系青春ドラマ」といえる内容です。しかし、それ以外にも重要なテーマである「箱根駅伝」について、割りと細かく描かれていて驚きました。
主人公らが所属する大学の陸上部はシード権を持たないため、10月に立川駐屯地をスタートして行われる予選会に出場します。もっと細かく言えば、予選会に出場する資格タイムを得るところからこの映画はスタートしています。ちゃんとその辺りのもきちんと描写しているので、観ている側にも自然と観入ることが出来ました。
それでも、実際の箱根駅伝の描写をどのようにして再現するのか不安でしたが、実際の映像を上手く取り入れ、陳腐さは見受けられませんでした。
ただひとつ、非常に残念なのがラストです。これだけはちょっと許せないレベルでしたね。いかにも「ここで泣け!」と言われているようで。
ネタバレになりますが、最終10区走者であるアンカー走者ハイジ(小出恵介)がゴール手前で右膝を剥離骨折させてしまい、ペースが落ち、果ては座り込んでしまうシーンがあるんです。仮に、順位争いがさほど関係のない順位で走っていいるのならわかります。
しかし、裏の2区とも呼ばれる9区を走ったカケル(林遣都)が区間新記録の走りで、そんなカケルから襷を受けた段階での順位は11位。しかも10位との差は1分02秒。
箱根駅伝は総合10位までに入れば翌年のシード権(予選会免除)を得ることが出来ます。つまり10位と11位では雲泥の差があるんです。
そんな状況の中、ハイジが剥離骨折。当然、まともに走ることなど出来ません。それでも這いつくばりながらでもゴールして、10位には入れなかったけど完走したことに意義があるんだよね!みたいなエンディングになると思いました。
がっ!!!!
なんとビックリ。めでたく10位でフィニッシュ。11位との差、僅か2秒。
いやいやいやいやいや、おかしいだろ!!!
10区スタート時点で10位との差が1分02秒ある10位だったわけでしょ?そこへきて、ハイジの剥離骨折でペースは落ちるわ、立ち止まるは倒れるわしといて、頑張って歯を食いしばりながらゴールしてみたら10位とか!!!しかも2秒差って!!!
これには、オジサンも空いた口が塞がりませんでした。
どうしても、ラストシーンで観てる人を泣かせたいのでしょうが、その魂胆が見え見えすぎの演出ですっかり興醒めしてしまいました。
それでも、ラストシーン以外は、割とよく出来た(忠実な)映画だなと思いました。駅伝好きな人は観ておいた方が良い映画ですよ。
バンダイビジュアル (2010-04-09)
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