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僕が好きなボンド・カーについて


コチラの記事で映画『007シリーズ』について書いたこともあり、僕の中で007熱が上がってきてしまったようなので、今回は主人公ジェームズ・ボンドが作中に乗っている「ボンド・カー」について書いてみようと思います。

とはいっても、シリーズ24作品に登場する全ての「ボンド・カー」について書くつもりはありません。中でも僕が最もお気に入りの「ボンド・カー」をご紹介します。

車にあまり興味がない人にはつまらない内容かもしれませんが、画像だけでも見ていただき、過去にも現在にも、息を呑むほど美しいスタイリングを持つ車がある(あった)ということだけでも知ってもらえれば嬉しいです。


ボンド・カーについて

車の紹介の前に「ボンド・カー」について少しだけ説明しておきます。

「ボンド・カー」とは前にも書いた通り映画『007シリーズ』の主人公であるジェームズ・ボンドが作中を通して主に運転する車のことを指します。

この「ボンド・カー」ですが、実は1作目から定義付けして登場しいるわけではありません。シリーズ3作目”ゴールドフィンガー”の中で、ジェームズ・ボンドが所属する英国諜報機関「MI6」の秘密兵器開発主任者「Q」により開発された、様々な秘密兵器が搭載された”アストン・マーチン DB5”が、由緒あるシリーズ初代のボンド・カーとされているそうです。

アストン・マーチン DB5

以来「ボンド・カー」といえば、その車の持つスタイリングや性能はもちろん「Q」が開発した秘密兵器の類…例えば防弾ガラス・装甲板・小型機関銃・小型ミサイル・イジェクトシート・ナビ・発信機・煙幕などといった奇想天外な装備類にも注目が集まるようになっていました。コチラの記事で書きましたが、潜水艇になるボンドカーまで登場します。もう、なんでもありですね。

潜水艇になるロータス・エスプリ S1

それでも、初めて「ボンド・カー」として登場した”アストン・マーチン DB5”のステイタスは確固たるものであり、現代でもそれを象徴しています。前作「スカイフォール」でも、ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドが隠れ家の倉庫に保管している、というストーリーで登場しています。

このように「ボンド・カー」といえば『007シリーズ』の象徴の一つというポジションを確立し、新作が発表される度に「ボンド・ガール」と合わせて話題になる要素となっています。


では、そんな「ボンド・カー」の中で僕が最もお気に入りな車を紹介しましょう。


TOYOTA 2000GT


映画『007シリーズ』に登場した「ボンド・カー」で唯一の日本車であり、当時の日本が誇る技術の結晶と言っても過言ではない”TOYOTA 2000GT”を紹介します。

”TOYOTA 2000GT”はシリーズ第11作「007は二度死ぬ」に登場します。実は、映画の中でショーン・コネリー演じるジェームズ・ボンドがこの車を運転するシーンはありません。助手席には座っていますが。この”TOYOTA 2000GT”は、丹波哲郎さん演じるタイガー・田中が所属している日本の諜報部が所有している設定。つまりジェームズ・ボンドの愛車ではないしハンドルを握っているわけでもないので、厳密に言うと「ボンド・カー」という定義には当てはまらないような気もしますが、現在では”TOYOTA 2000GT”も歴代「ボンド・カー」の中の一台として認知されているようです。日本人としてはシリーズ唯一の日本車なので誇らしいですよね。

「007は二度死ぬ」は、1964年の東京オリンピック開催直後、高度経済成長真っ直中の東京を中心にロケが行われました。当時の日本を象徴するに相応しい”TOYOTA 2000GT”ですが、上の画像のようなコンバーチブル仕様は作られていませんでした。ジェームズ・ボンド役のショーン・コネリーが長身のために乗り込むことが出来ず、急遽屋根を切断してコンバーチブル仕様に改造して撮影の臨んだという逸話があるそうです。

TOYOTA 2000GT

TOYOTA 2000GT
映画の話から少し離れましょう。僕が生まれる以前の日本で、こんなにも斬新で流麗な形を具現化したデザインを持つ車は、国内ではまだ珍しい存在でした。先行して発表されていた、アストン・マーチンと同じく英国車であるジャガー・Eタイプのロングノーズを彷彿させるようなデザインです。しかも、デザインは外国人デザイナーではなく、TOYOTAの社内デザイナーなんです。

ジャガー Eタイプ

また”TOYOTA”という冠がついていますが、実は”ヤマハ”との共同制作です。当時、既にオートバイメーカーとして日本を代表する企業に成長していたヤマハが、四輪のスポーツカー制作のために”TOYOTA”にアプローチし実現させたものです。

TOYOTA 2000GT インテリア
事実、エンジンや内装に”ヤマハ”の技術が存分に発揮されています。エンジンには”ヤマハ”の持つノウハウが用いられ、排気量2000ccのエンジンで150馬力、最高時速220km/hという、世界でもトップレベルの性能を実現。更に、内装に奢られたウッドパネルは、楽器制作に欠かせない”ヤマハ”の木工技術が惜しみなく使われたそうです。

実際に走行している映像がないかと探していたところ、僕の好きな番組「トップ・ギア」でMCの1人リチャード・ハモンドがレポートしている映像がありましたので貼っておきます。







この”TOYOTA 2000GT”ですが、当時の新車販売価格がいくらだったのか、興味があったので調べてみました。1964年当時の価格で238万円だそうです。どれほど高価なのかというと、同じくTOYOTAのクラウンが2台買える価格、カローラなら6台も買えてしまう価格設定だったそうです。当時の大卒初任給が2万6000円前後らしいので、庶民から見て”TOYOTA 2000GT”どれだけ高価で高嶺の花だったのかわかりますね。それでも生産コストが掛かりすぎ赤字生産が続き、1970年に生産終了となっています。生産された台数は国内外合わせ、たった337台。

当時の新車価格が238万円…今で言うと2000万円前後の価値でしょうか。

価格面で同じ「ボンド・カー」を比較してみると、最近の作品である「カジノ・ロワイヤル」や「慰めの報酬」に、初代「ボンド・カー」の系譜を受け継ぎ登場した”アストン・マーチンDBS”の新車価格が約3000万円なので”TOYOTA 2000GT”よりも更に手の届かない「ボンド・カー」になっています。まあ、だからこそ「ボンド・カー」として選ばれる要因の一つなのでしょう。

アストン・マーチン DBS





まとめ

”TOYOTA 2000GT”は「ボンド・カー」という歴史に名を残しただけでなく、そのデザインや性能を含め、まさに世界に誇れるGTカーの1台として君臨しています。極端に少ない生産台数も手伝い、今ではプレミアも付加されて非常に高価な車となっており、2013年にアメリカのオークションで落札された1967年式のTOYOTA2000GTの落札価格が1億1800万円だったそうです。もちろん、保管状態も最良でエンジンや内装等もフルレストアされた状態だったのだろうとは思いますが…。

ちなみに、現在ジェームズ・ボンド役を演じている、僕も大好きダニエル・クレイグは、歴代ボンド・カーの中で”TOYOTA 2000GT”が最も好きだと言ってるそうです。

ダニエル・クレイグはわかってらっしゃいます。さすが007を演じるだけの紳士ですね。

「GTカー」とは…
「GT」とはグランツーリスモの略で、大旅行=グランド・ツーリングから派生した、イタリア語が源となっている言葉。位置づけとして、長距離ドライブに適した高いパフォーマンスと高いラグジュアリー性を持つ車に付けられる称号のようなもの。




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