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おめでとう!パトリック・デンプシー



富士山が平年より11日遅くその頂に雪の化粧をした昨日。麓にある富士スピードウェイではFIA世界耐久選手権(WEC)の第6戦「富士6時間耐久レース」の決勝が行われました。

以前にコチラの記事にも書きましたが、パトリック・デンプシーがチームオーナー兼ドライバーとして今年WECのレースにフル参戦している影響で、僕もル・マンやWECのレースに注目しています。

そして、日本開催となるWEC富士6時間耐久レースで、なんとパトリック・デンプシー率いる”DEMPSEY-PROTON RACING”クラス初優勝を飾りました。しかも、レース終了まで30分を切ったところで、チームの粋な計らいによりパトリック・デンプシーへドライバー交代し、そのままチェッカー。今年のル・マン24時間耐久レースのクラス2位に続く快挙を達成しました。

俳優業をこなしつつレース活動を続け、よくぞここまで成し遂げたなとちょっと感動しました。こんなことを言ったら失礼ですが、まさか優勝できるとは思ってもみなかったので。


決勝レースについて


レース前には獅子舞を撮影する余裕も見せていたパトリック・デンプシーですが、予選では奮わずクラス4位。しかも決勝レース当日の天候は雨。

カーナンバー#77”DEMPSEY-PROTON RACING”ポルシェ911RSRの第一ドライバーはパトリック・デンプシーが務めました。WECの6時間耐久レースはクラスやチームによりますが、2人から3人のドライバーが交互に走らなければならない規定があります。

レースで世界を転戦しているとはいえ、本業は俳優です。レースドライバーとしてのスキルは、当然他のドライバーよりも劣るのは仕方ありません。雨のレースが故に、パトリック・デンプシーも濡れた路面に苦労し、スリップして何度もコースアウト。他のクラスのマシンも、軒並みスリップ~コースアウトしているなか、何とかクラッシュせずに自分の時間を走り切ります。
#77 DEMPSEY-PROTON RACING ポルシェ911RSR
予報では、昼過ぎには雨も止み晴れ間もあるだろうとのことでしたが、実際は中々雨が止まず、結局晴れ間が見えたのはレース終盤になってから。

それでも、周回を重ねることによりコース上は徐々に乾き始め、各クラスともラップタイムが上がってきました。そんな中でも順調にレースを紹介していく#77のポルシェ。

レース終了まで30分を切った頃、3人目のドライバーがそのままチェッカーを受けるのかと思いきや、後続であるクラス2位を走っていたアストン・マーチンとのアドバンテージが十二分にあると確認したチームは、パトリック・デンプシーへとドライバー交代。これにはパトリック・デンプシーのファンは大喜びです。中継していた解説者の方も「これはファンは大喜びでしょう」と言ってましたが、まさにその通りでした。あとは、なんとかスピンやコースアウトせずに走りきれば、パトリック・デンプシーのスキルでも、後続のアストン・マーチンに追いつかれずにチェッカーを受けられるはず。

そして、無事に#77パトリック・デンプシーが見事クラス1位でチェッカー。最終的に2位のアストン・マーチンとは約17秒差まで縮まっていました。

因みにクラス2位のアストン・マーチン。ドライバーの中には、あの伝説的なF1ドライバーだったニキ・ラウダの息子であるマティアス・ラウダがいるんです。

レースの模様はハイライト動画をご覧下さい。





レース後のまとめ






正直なところ、クラス初優勝出来たのはパトリック・デンプシー以外の2人のドライバーの力量に拠るところが大きいと思います。それでも、チームオーナーとしてクラス初優勝を成し遂げられたのは、やはりパトリック・デンプシーだからこそ、という部分も大いにあることでしょう。

勝負の世界とはいえ、レースも興行の一つです。観客を呼べる要素が多いに越したことはありませんから。近年、日本のモータースポーツ人気は下火だと言われている中、今回のWEC富士6時間耐久レース期間中、サーキットに来場した観客数は昨年よりも増えたという話です。これも恐らくパトリック・デンプシー効果が要因の一つなのかもしれません。

それに、ファンとしては初優勝の地が日本だということが、何よりも嬉しかったりします。勝負の世界、勝てばそれでいいんですから。次戦は上海です。この勢いに乗り、クラス連覇の達成に期待したいと思います。


WEC観戦のポイント

WECのレースは地上波での中継や放送はありません。スカパーのJ-SPORTSチャンネルで全戦中継しているだけです。なので、実際にWECのレースを観る機会は少ないかもしれませんが、ここでWECのレースを観戦する際に役立つポイントをお教えしましょう。

WECのレースではレギュレーションにより【LMP1(赤)】【LMP2(青)】【LMGTE PRO(緑)】【LMGTE AM(黄)】という4つのクラスに車を分け、それに併せて各クラスに色が割り当てられています。カッコ内に書いた色がそうです。

決勝レースでは、その4つのクラスが一斉にスタートして長丁場のレースを戦います。


簡単に説明すると、いかにもレーシングカーというスタイルの車が【LMP1(赤)】【LMP2(青)】の2クラス、街中で見たことがあるような市販車ベースの車が【LMGTE PRO(緑)】【LMGTE AM(黄)】の2クラス…と覚えればいいでしょう。

レースは長時間に渡ります。周回を重ねる毎に、一見して順位を判別することが難しくなります。いったい、どの車がクラス1位でどれが2位なのか、慣れないと分かり難いかもしれません。でも、観ている人が容易に順位が分かるような仕組みが、車には付いているんです。


上の画像は【LMP1(赤)】のアウディです。少し分かり難いかもしれませんが、赤丸の中にタテに3つ並んだ赤いランプが灯っていますよね。これはポジションを表すランプで、全ての車両のサイド側に付いています。

赤いランプが3つ…つまり【LMP1(赤)】クラスの3位を走行しているということです。

それを踏まえてレースを観てもらえると、より状況を把握しやすくなって楽しめると思いますよ。



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