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本田圭佑選手のチーム批判に思うこと


今夜(8日夜)はサッカーのワールドカップロシア大会アジア2次予選がありますね。日本は2次予選1位通過をかけて、グループE首位攻防戦でもあるシリアとアウェー(中立地:オマーン)で戦います。

そんな中、日本代表の本田圭佑選手が所属チームであるイタリア・セリエA「ACミラン」について、メディアの前でチーム批判と言えるような発言をしたことが、本国イタリアだけでなく日本やアジア各国のメディアでも騒がれていますね。

僕もニュース等でこの騒動を知りました。本来であれば、1人のプロサッカー選手が自ら所属してるチームへの批判的な発言をしたことで、いちいちブログで感想や意見を書くべきではないと思うのですが、今回の場合、発言した人間が「日本代表」というよりも「日本を代表する選手」であったことが、どうも僕の中に引っかかりがあり、思うことをここに書いてみようと思った次第です。

サッカーはプレーするのも観るのも大好きです。日本代表戦はもちろん、本田選手が所属しているセリエAやプレミアリーグなどの海外サッカーも大好きですし、TVで試合を観る機会も非常に多い方だと思っています。だから、例え他人から「にわかファン」だと言われようが、自分なりにサッカーを愛しています。そういう立ち位置に僕はいます。


本田選手のチーム批判


4日のACミランのホームゲーム対ナポリ戦の大敗(0-4)後に、2試合連続で出番なしに終わった本田選手がミックスゾーンに姿を表し、集まった報道陣に久しぶりに多弁に語った内容が、120億円を費やした補強や結果の出ないクラブの首脳陣や監督、サポーターやイタリアメディアへの「批判」とされている。

主な内容は…

今日の試合でファンや経営陣、選手たちは大きく傷ついて、こういうところで気づく。今日の敗戦を、大敗をしっかりと(受け止める)。この敗戦から何かを学ばないと。いつまでたっても再建はほど遠い。

なんで出れなくなったのかわからない。こういう試合をやっていて出れるチャンスがないのがおかしい。イタリアのメディアの大問題だと思うんですけれど、誰がいい、誰が悪いというのをこういう試合で話すのがナンセンスですよね。そこを今日しっかり学ばないと。

マンチェスター・シティやパリ・サンジェルマンぐらいお金を使うか、もう少しストラクチャー(構造)の部分で見直していかないといけない。でも選手たちが気づく。同時にファンたちも気づいていかないと。僕はファンの拍手のタイミングを見ていても、勝つことだけに左右されているファンだなと気づく。内容など見ない。勝てば拍手する。

トップトップのプレーヤーではないとしても、代表チームの選手が集まっている集団。それでなぜ彼らが出ている選手が与えられたポジションで生き生きとプレーできないのか、もう少し構造的な問題。評価基準をメディア、ファン、経営陣から大きく変えることができれば、大きく再建につながるのではないかと思う。

シンプルに言えばヒントは今日のナポリにあると思います。それがわからないようであれば、再建はあと5年、10年かかる。ナポリはサポートが速い?2年間思っている話。逆にイタリア人に聞きたい。ユーベ(ユベントス)も危ないでしょ。これでユーベが弱くなったらイタリア危ないですよ。だから、イタリアのメディアにこれを伝えておいて下さい。また散々ぱら僕を叩くでしょうから。

因みに、ナポリ戦の直前に本田選手はインフルエンザを発症しダウンしていた。そのためナポリ戦はベンチメンバーから外れ、自宅待機となる可能性があった。その時にACミランのミハイロビッチ監督は記者会見で、そんな本田選手に対し、一部人種差別とも受け取れる発言した。

ACミラン / シニシャ・ミハイロビッチ監督

「サムライは3日熱があるんだ。なんてダメなサムライだ」

「日本人が発熱するなんて初めて見たよ」

それを耳にしたかどうか定かではないが、ナポリ戦にベンチ入りできるよう気合で回復させたのではないかと言われています。これがチーム批判への伏線になったのか否かはわかりません。

イタリアメディアは本田選手のチーム批判を報じました。一刀両断し断罪するメディアもあれば正論だと一部賛同する意見もあるようです。日本国内のメディアも一斉に報じましたね。それに連れてファンやサポーターの意見もTwitter等のSNSで目にしています。


僕が思うところ

僕は本田選手を1人のサッカーファンとして尊敬しています。日本人がACミランの10番を背負う…それがどれだけ凄いことなのかもわかっているつもりでいます。それらを踏まえて。

サッカーに限らず「プロ」のアスリートは、自らが所属しているチーム(団体)の外に向けて批判をする行為は決して紳士的とはいえないし、古臭いですが「スポーツマンシップ」に反した行為だと考えています。批判は内にすべきであって、外向きにすべきではないと。

見方を変えれば、今回の本田選手の批判行為を「よくぞやってくれた」と賞賛する人もいるでしょう。本田選手のような、ある程度の影響力がある立場の人間が外に向けて批判をするという勇気は、確かに賞賛すべきなのかもしれませんし、立派なのかもしれません。

しかし、最近では出場機会もなく、目立った活躍もしていません。今シーズンに限らず、本田選手がACミランに移籍し、背番号10を背負い始めて以降、チームの歴史に名を残すような活躍をしてきたのか…そこまで大袈裟ではなくても、堂々とチーム批判を行えるだけの結果を残してきたのか、僕は疑問に思います。そこまでの選手が、例え正論といえるようなチーム批判をしても、それが大きな波となって山を動かすことができるとは、到底思えません。

本田選手はプロなんです。所属クラブやサポーターあっての「プロ」なんです。それを「内容など見てない」「勝てば拍手する」などと言い放ち、批判の的にするというのはどうなんでしょうか。内容を見ていないサポーターやファンなどいません。勝てば拍手するのは当たり前です。内容を見てるからこそ、下手なプレーや敗戦にはブーイングをするし、勝てば拍手を送るんです。勝つことだけに左右されるのが悪いことだとは思いません。海外サッカーの場合だと、贔屓チームの勝敗が翌日以降のサポーターの暮らしに影響を及ぼす場面も多いでしょう。日本のプロ野球にもそんなファンがいますよね。でも、それがサポーターでありファンではないのでしょうか。

例えば、企業で言えば「上司」にあたる監督への批判や、役職者である経営陣への批判です。これは本当にみっともないことだと思います。だからこそ内に向けて批判すべきだし、それが議論のキッカケになる場合もある。外向きに批判をして喜ぶのはライバル企業や取引業者、それにメディアだけです。

プロとして母国を飛び出し、世界を相手に自分の可能性に賭けられる境遇にいる人が、自己批判ではなく、自分に対するモノに対して批判をしているのを見ていると、言い訳をしているようにしか見えません。まだ「言葉が難しくてコミュニケーションが…」と言い訳している方がカワイイですし、応援したくなります。

「男は黙って耐えろ」なんて古臭いことは言いません。批判や思うことを堂々と発言することは大いに結構だし、自己研鑚に通ずることだと信じています。でも、それは僕のような「ファン」や「サポーター」は聞きたくないし、聞く必要なんかありません。ただ、選手としてのスキルを成長し続け、プロとして、その冠に恥じないプレーを魅せてくれさえすればいいんです。出場機会がないのは本当に監督や首脳陣の責任だとしても、それを押し殺し、その負の力をスキルアップに転換するべき。それで耐えられないなら移籍のチャンスを掴むなり、待てばいい。それすら出来ないなら、もう辞めればいい。

この批判はつまり、自分のことは一旦棚上げにした上で「僕(本田選手)が活躍できないのは僕のせいというよりも、むしろクラブ首脳陣や監督、サポーター、メディアが悪いんだ」と言い替えられるのではないだろうか。



僕が本田選手に望むこと

後日、本田選手は日本のメディアに対しこう言っている。

目指すところの逆算で行動をとってきているわけですから、それに相応しくない行動っていうのは逆に言えば取りたくないというのが自分のフィロソフィーですから。自分の正義を貫くことが、今後の自分にとっても、自分自身であり続けるためにも必要なことだと思います。

つまり、一連の批判行為は「自分の正義を貫くこと」の一つだという解釈に受け取れます。これには正直ガッカリです。何度も言いますが、本田選手は多くの人たちからリスペクトされている立場の「プロサッカー選手」なんです。自分の正義というのは、もっと違う部分なのではないでしょうか。

プロサッカー選手じゃなくても、サラリーマンの世界でも結果は大事です。しかし、それ以上に重要視すべきは結果に至るまでの過程です。例え成功しなくても、それまでの「過程」が次へのステップへの糧となり重要な役割を果たす。選手としてピッチに立ってプレーをする機会が与えられなければ、その機会を得ようと努力をすべきであって、ピッチ以外の場で活躍したり目立とうとする行為はプロとしてあるまじき行為にしか思えません。

兎にも角にも、本田選手に望むことは「目指すところの逆算でピッチの上で活躍し、相応しい結果を残す」これに尽きると思います。

「死に物狂いで努力を怠らず継続し、去る時がきたら軽やかに去る」

それがプロなのではないでしょうか。本田選手の活躍している「世界」という大枠で見れば、現在のレベルではまだまだ高みは遠いはずです。批判をしたければ…批判をする必要があるのなら、もっとレベルの高い存在になってからすればいい。それまでは、批判を口にしたところで何も変わらないでしょう。今の本田選手にそんな力はありません。

今回の批判行為も、所属クラブやイタリアサッカーを愛しているが故の批判なのかもしれませんし、きっとそうなのでしょう。だが「クラブチーム」と「ナショナルチーム(代表チーム)」では、本田選手の存在意義や価値など大きく異なります。「ナショナルチーム(代表チーム)」への批判なら堂々と声高にすればいい。むしろ率先して批判すべき点はしてもらいたいと思います。

年明け1月には海外の移籍市場が再びオープンになります。恐らく、本田選手は何らかの形でACミランを離れる可能性が高いと思います。新天地では「ピッチの上のプレーヤー」として更なる成長を期待しています。そして、日本代表のワールドカップロシア大会出場も期待していますからね、本田選手。



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